ふーダメです、仕事煮詰まり中。ちょっと頭冷やそう・・・。
ということで、だいぶん前に描いた花札の絵を。
人間が、ムーミンに出てくるおしゃまさんみたいになってしまった。
わたしがペン画が好きになったのは、ムーミンとサザエさんのおかげなんですが、
ムーミンに初めて出会ったのは、当時「刑事コロンボ」にハマって通ってた
高校の図書室。
水色(シアン40くらい)の目の粗い布張りのハードカバーに、
ムーミンの挿絵が銀で小さく箔押ししてあるという、かなり洗練された
装丁の本で、思わず吸い寄せられるように手に取ったことと、
かわいらしい絵柄に反して、中身は鋭い観察眼と深い洞察力を伺わせる
シニカルな表現が随所にちりばめられていて、その面白さに
子供心にびっくりしたことを、今でもよく覚えています。
シリーズの中でも「ムーミン谷の11月」は、この時期にぴったり、と、
ほんの数ページ読み返してみたら、改めて感服しました。
寂しさや怒り、自身や人との関わりを、深まる秋の合間のしんとした
空気を透して、易しい文章ですくい上げる手腕は、本当に圧巻です。
季節のように、いろんなものも深度を増していく。
20年以上経って、昔とはまた違った感動を「ムーミン谷の11月」に
拾うことができ、胸がいっぱいになりました。
ちなみに、このお話にはおしゃまさんは出てきません。
巡るようで、同じ時をなぞることはなく。
冬支度の季節。